ワイン発祥の地? 北キプロスのEtel Winery (1)
以前勤務していた旅行会社ではキプロスは「中近東」の扱いでしたが、正確にはヨーロッパと中近東両方に属している国です。四国の半分ほどしかない小さな島がなんでこんなややこしいことになっているのかというと、島の南部はEUに加盟するキプロス共和国、北部は北キプロス・トルコ共和国、国連が管理する緩衝地帯を境に2つの国に分断されているから。しかも北部の北キプロスは世界でトルコしか国として認めていないというおまけ付き。未承認国家・・・イカつい響きですがまさに北キプロスは本物の未承認国家です。これらは全て1900年代に起きた近代になってからのキプロスの話。キプロス島は紀元前6000年頃からその歴史が始まります。そしてこの島においてのワインの歴史は紀元前4000年頃まで遡れるというではないですか!
キプロスには世界で最も古いワインの一つとされるCommandaria(コマンダリア)があり、キプロス島はワインの発祥の地ともいわれています。ジョージア(グルジア)を訪問した際に訪ねたワイナリーで「ジョージアがワインの発祥地」だと言う誇りに満ち溢れたワインメーカーさんに出会ったことがあります。また8000年前にすでに中国でワインが作られていたという話も聞いたこともあるので、結局どこが発祥の地なんでしょうか。
キプロス島を旅行することに決めてからGoogleで見学させてもらえそうなワイナリーを調査。先述のCommandariaはぶどうの品種から生産方法まで細かいルールのある、キプロスのスイートワイン。現在も南部、キプロス共和国側のオモドス村を中心に生産されています。しかしまずは普通のCypriot(シプリオット=キプロスの)ワインを飲んでみたい!ということで、未承認国家の方にあるワイナリーをリサーチ。ほとんどないキプロスのワイン情報の中から見つけたのがこのEtel Wineryです。
Etel Wineryは地中海に面した港町のGirne(ギルネ)から車で30分ほど内陸に入ったIlgaz(イルガス)という村にあります。Beşparmak Mountainsという丘陵に囲まれ、地元の人で大賑わいの小さなカフェと家が数軒あるだけの山あいの小さな村。約4ヘクタールの山の斜面に8種類のぶどうを栽培しています。ぶどうはすべて手作業で収穫、その後の熟成からボトル詰めまですべてをワイナリー内で行うアルティザンワイナリーです。Etel Wineryのストーリーは (2) に続きます。
<今日のワイナリー情報まとめ>
訪ねたワイナリー:Etel Winery (エテルワイナリー:秘境北キプロスのワイナリー)
このワイナリーがある国の旅行情報:未承認国家・北キプロス (北キプロス公式旅行情報:Visit North Cyprus)