未承認国家のワインのお味は?北キプロスのEtel Winery (2)

Etel Wineryそば、Ilgazの村にあるカフェでおいしいトルコーヒーを

Etel Wineryそば、Ilgazの村にあるカフェでおいしいトルコーヒーを

あえて北キプロスのワイナリーに行きたくて、ほとんどない情報の中から探し出したEtel Winery。キプロスに移住したイギリス人が2016年にオープンしたワイナリーで、その横には併設のGillham Vineyard Hotelがあります。コテージタイプのゲストルームのバルコニーからは目の前のぶどう畑と山あいの絶景を望む素敵なホテル。夏場のシーズン中のみのオープンということで、ここに出かけた12月はクローズしていました。実際のところワイナリーより、ホテルとホテルの中に入っているレストランの方がメインビジネスという感じでした。

二度と行けるかわからないような場所なので「行ったら閉まってました」だけは避けたく、いろいろ検索するとホームページからテイスティングの予約ができる模様。そしたらすぐに返信がきたよー!「クラッシックツアー」というワイナリーの見学とテイスティングができるというもの。あっという間にその日はやってきた。予定よりも早く着きすぎたので、近くのカフェ「Ilgaz Köy Fırını Cafe(イルガスキョイカフェ??)」でターキッシュコーヒーをいただいて時間つぶし。土曜日の朝10時ころということもあって、家族で朝ごはんを食べにきている地元の人で大混雑。どうやら大人気のカフェのようで、しばし1時間ほどローカルの暮らしを垣間見ることができました。

Etel Wineryの赤ワインはフレンチオークの樽で熟成

Etel Wineryの赤ワインはフレンチオークの樽で熟成

時間になってEtel Wineryに行くと、まだまだ何もかもが真新しい!新品のテーブルなどが運び込まれているところで、本格的なオープンはまだという感じでした。それでもギリシャからワインを勉強しに来ているという女の子が、とても親切にワイナリーの紹介をしてくれました。訪問したのは冬。あいにくぶどう畑はちょうど剪定中だったので、ワインを醸造する樽やステンレスタンクなどを見せてもらいました。ワイナリーの建物の目の前にぶどう畑が4ヘクタールにわたって広がっていて、春から夏にかけては絶景が広がるはず。ここにホテルを建てた理由がよくわかります。

Etel Wineryには住み込みのワインメーカー(醸造の責任者)がいて、シーズン中はぶどうの生育状況はもちろん、収穫後のワイン造りの管理をしているそうです。ぶどうの収穫はすべて手作業で行われています。樽はすべてフレンチオークで作られており、主に赤ワインを熟成させています。シラーとプティベルドーのブレンドの「Flamma」はEtel Wineryが造る赤ワインの中で最も熟成期間が長く、樽の中で20か月以上熟成させているそうです。

お待ちかね!Etel Wineryのワインをテイスティング

お待ちかね!Etel Wineryのワインをテイスティング

3種類ほどのワインを試飲。100%のシャルドネはクリーミーでとっても丸みのあるワイン。ソーヴィニヨンブランにはセミヨンがブレンドしてあり、ボルドーの白ワインのような組み合わせの辛口ワイン。Gillham Redはカリニャン、シラー、カベルネフランのブレンド。酸っぱい系のぶどうカリニャンと、黒系のベリー系の味が濃いシラーをブレンドして南フランスのラングドックを意識してるのか?という感じの若い赤ワインでした。

Etel Wineryでは、現在シャルドネやシェニンブランなどといったどんな地域でも育ちやすいぶどうから、カリニャンやシラーなど温暖なエリアでないと栽培が難しいぶどうまで8品種を栽培しています。生産されるワインは6種類。一般的にぶどうを植えてから、販売できるほどの量のワインを生産するまでには約3年かかるといわれています。Etel Wineryは2016年のオープン。キプロスのワインの歴史は古いけれども、Etel Wineryはとってもスタイリッシュなワインが印象的な新しいワイナリー。10年後、このワイナリーからどんなワインが生まれているか、とても気になります。


<今日のワイナリー情報まとめ>

訪ねたワイナリー:Etel Winery (エテルワイナリー:秘境北キプロスのワイナリー)
このワイナリーがある国の旅行情報:未承認国家・北キプロス (北キプロス公式旅行情報:Visit North Cyprus)

Maya

アメリカのロサンゼルス郊外在住。日本の大学卒業後から15年以上、仕事も趣味も旅行な毎日で60か国以上をふらふら。時に母を連れ、そして途中には旅行の友(主人)を見つけ、強引に(?)あちこち。東京にある秘境系旅行会社でワイナリーツアーのアレンジや自分でも世界各地のワイナリーを訪ねるうち、ワインのことも知りたくなり、旅行の仕事の片手間にワインの勉強も。WSET Level 2資格保持者。日本のソムリエ資格同等レベルのWSET Level 3結果待ち。

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