Kenzo Estate – ぶどう畑もワインの味も日本の織物のよう!ナパのブティックワイナリー

訪問した9月は収穫直前というタイミングでワイン用のぶどうの味を食べて確かめることができました

ワイナリーへテイスティングに行くときに揉めるのが誰が運転手をやるかということ。アメリカはどこでもUberがあるとはいえ短い距離でも結構高いので、私が運転手に徹して同行者にテイスティングを任せてもいいが、ちょっと残念。コストも気になるしワイナリーに行って飲めないのも残念だし、折り合いをつけるのが大変難しい運転手問題。ホテル近辺の歩いて行ける距離にあるのはテイスティングルームでワイナリーではないし、ナパヴァレーを縦断する州道29号沿いにある有名すぎるワイナリーも興味がない・・・。ナパのダウンタウンからタクシーで簡単に行けそうなワイナリーを探したところ「ケンゾーエステイト」を見つけました。日本人が経営していて、クオリティの高いワイン造りをしていると聞いたことがあるけど、こんなところにあるのね。試飲のみなら一人$80。$110ならエステートツアーがついて、弁当プランもあったり。他のナパの有名ワイナリーより若干お手頃な印象です。

ナパのダウンタウンから車で20分、小高い丘の麓にあるケンゾーエステイト。敷地に入ると小さな湖がいくつかあり、森があり、イメージするワイナリーとは全然違う光景が広がります。ワイナリーというよりは自然保護区に入ったかのような印象。はっきりした距離は不明ですが、敷地入り口からメインの建物へも数キロはあるはず。聞くところによればケンゾーエステイトの敷地はセントラルパークの5倍の広さがあり、ぶどう畑はそのうちの5%だけ。その他のエリアは手をつけずそのままの植生を保存しているそうで、野生のイノシシやシカ、コヨーテなどがやってくるとか。私が目にしているのはナパがワインのナパヴァレーとして知られる前の原風景か、とちょっと考えてしまいました。

この小高い丘の下にケイブがあり、ワインを発酵・熟成させています

テイスティングルームに到着するとソムリエの方が待っていてくださいました。実は予約サイトではテイスティングもワイナリーツアーもその日は空きがなかったのですが、電話をしたらテイスティングはなんとか入れてもらえるとのこと。他のゲストも入れて大人数でテイスティングするのかと思ったら、グループごとにソムリエ一人がついて行うプライベートテイスティングでした。

スパークリングワインの「清」を片手に簡単な醸造やワイナリーのバックグラウンドなどの説明を聞きつつ、ぶどう畑を見学。ちょうど訪問したのが収穫目前という時期で、カベルネソーヴィニヨンやソーヴィニヨンブランなど熟れたワイン造りに使われるぶどうの試食もさせていただきました。生食用のぶどうと大きく違うのはやっぱり皮の部分。普段ぶどうを食べて皮が美味しい!なんて人はあんまりいないと思いますけど、ワイン用のぶどうは皮が美味しい。美味しいというより深い。WSETの試験前にぶどうの試食をするチャンスがあったらよかったのにと思いました。ケンゾーエステイトはナパヴァレーのかなり南寄りにあります。サンパブロベイ(San Pablo Bay)からの冷たい風を受けてぶどうの熟成も長く時間がかかるエリア。さらに北にある数々のワイナリーよりも収穫が遅く、木で長い時間をかけて成熟したぶどうから特徴のあるワインが造られています。

リリース中のロゼ(結/yui)、赤3種(紫鈴/rindo 紫/murasaki 藍/ai)とスパークリング(清/sei)でをテイスティングしました

ぶどうの食べ過ぎでテイスティングに影響しそうでしたけども、誰かの家のリビングのようなテイスティングルームで4種のワインを試飲。リリース中のワインのテイスティングということで、白ワインはスパークリングのみで、ロゼと赤ワインを中心に5種類。カベルネソーヴィニヨンにほんの少しメルローとカベルネフランをブレンドした2020年の「藍」は力強いナパの赤らしい味わい、それに対してカベルネソーヴィニヨン半分にボルドーバラエティ(メルロー、プティヴェルドー、マルベック、カベルネフラン)をブレンドした2020年の「紫鈴」は軽やかでどんな食事にも合いそうな赤ワイン。どちらも同じ期間(20ヶ月)樽で熟成しているのにこれほどまでに印象が異なるのはまさにアートです。自分は日本人だとか、日本人のオーナーとか、意識のしすぎかもしれないですが、どれも細い糸を織り込んだ日本の絹の織物に包まれているような不思議な感覚に陥るワインでした。

限られた敷地の中でゆっくり育ったぶどうは収穫から選別、熟成、ボトルに詰めるまですべて敷地内で行われています。エステイトボトルドワインはここぞという日に飲みたいワインです。このレベルのワイナリーで珍しく、ほぼ全てのワインでハーフボトルも用意されています。ケンゾーエステイトの赤ワインのフルボトルは1本$130〜。ハーフボトルならその1/2で購入ができるので、私はビンテージの異なるワインをいくつか買いました。結構いいお値段のワインなので少しだけ色々楽しめた方が楽しいですし!

見学はいらないなと思ったのですが、テイスティングをしてどんな風にワイン造りをしているのか興味がわきます。他の著名なナパのワイナリーよりまだまだ若いワイナリー。これまでに造られてきたワインがさらに熟成してどんな味になるのか楽しみですし、この先ケンゾーエステイトでどんなミラクルなワインができるのでしょうか。


<今日のワイナリー情報まとめ>
訪ねたワイナリー:Kenzo Estate(ケンゾーエステイト)
このワイナリーが含まれるAVA (American Viticultural Area) :Napa AVA(ナパAVA)

Maya

アメリカのロサンゼルス郊外在住。日本の大学卒業後から15年以上、仕事も趣味も旅行な毎日で60か国以上をふらふら。時に母を連れ、そして途中には旅行の友(主人)を見つけ、強引に(?)あちこち。東京にある秘境系旅行会社でワイナリーツアーのアレンジや自分でも世界各地のワイナリーを訪ねるうち、ワインのことも知りたくなり、旅行の仕事の片手間にワインの勉強も。WSET Level 2資格保持者。日本のソムリエ資格同等レベルのWSET Level 3結果待ち。

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