日本人が知らない「日本のチーズケーキ – Japanese cheesecake」
先日クライアントさんからJapanese cheesecakeのレシピと写真のリクエストが。ジャパニーズチーズケーキって?「日本のチーズケーキ」なんて聞いたことないぞ!抹茶味のチーズケーキのことか?とか細い棒のチーズケーキがワックスペーパーに包まれた日本っぽいチーズケーキのこと?とか頭の中はいろんなチーズケーキがぐるぐる。
リサーチをしなきゃということで英語でJapanese cheesecakeを検索すると、出るわ出るわ。正統派レシピがいっぱい掲載されているニューヨークタイムズのレシピサイトにもJapanese cheesecakeのタイトルで載っていました。Japanese cotton cheesecakeというタイトルのレシピもたくさんありました。どうやら日本のチーズケーキ – Japanese cheesecakeはスフレチーズケーキのことらしい、とわかったところで念のためクライアントさんに確認。ベイクド、レア、スフレのうちどのチーズケーキかと聞いたらJapanese cheesecakeはスフレに決まっているではないか!と即答。
日本語で「ジャパニーズチーズケーキ」とインターネットを検索してもほとんどヒットしません。日本人でスフレチーズケーキのことを「日本のチーズケーキ」だと思って作っている人がどれだけいるのでしょうか。むしろSouffléなんだからフランス生まれじゃないの?旦那にもジャパニーズチーズケーキが何かを知っているか聞いてみると、知っている様子。スフレチーズケーキは「いかにも日本」な食べ物の一つだと言います。さらにチーズケーキ調査を続けると、Tomotaro Kuzunoさんという日本人のパティシエがベルリン旅行中に出会った地元のチーズケーキにインスパイアされ、1960年代に卵の黄身と白身をそれぞれ別に泡立てクリームチーズと混ぜてふわふわのチーズケーキを作ったそうです。どうやらそれが日本でのスフレチーズケーキの発祥。さらに芋づる式にいろんな情報が・・・その「日本のチーズケーキ」を生み出したTomotaro Kuzunoさんは、神戸のお菓子屋さんモロゾフの創業者、葛野友太郎だという事実。日本人なのに日本のことを知らないという話をよく耳にしますが、まさにその通り。スフレチーズケーキにそんな歴史があったなんて!
このふわふわタイプのJapanese cheesecakeを世界的に見ると、日本のお菓子屋さんが進出している国や地域ならば手に入りやすいそうです。逆を言えば日本以外ではあまり売られていないスタイルのチーズケーキだということ。少なくとも私の住むエリア周辺のスーパーはもちろん、ホールフーズでも見たことはないし、コストコで売っているのもクリームチーズの塊を食べているのかと思うほど濃厚なベイクドチーズケーキ。日本を旅行したことがある人であの味をもう一度食べたい人、どこからかJapanese cheesecakeの繊細さを聞いて食べてみたい人、食べたいなら自分で作るしかないということですね。だからこんなにたくさん「日本のチーズケーキ – Japanese cheesecake」レシピがインターネット上にあるんだと思います。作った時のストーリーはまた後日投稿したいと思います!