Zardetto Procecco Brut | ザルデット プロセッコ ブリュット

Zardetto Prosecco Brut ザルデット プロセッコ 05-08-2021.jpg

Zardetto Prosecco Brut

<WSET Level3 方式テイスティングノート>
カラー:淡いレモン色
香り&味覚:ブロッサム・アカシア・レモン・レモンピール・洋ナシ・青リンゴ・火打石・ヨーグルト・チーズ
発達段階:若い
甘味:オフドライ
酸味:やや高い
ボディ:ミディアム
後味:やや長い
品質:良い (Balance, Intensity)
飲み頃:今飲み頃で、熟成には向かない

ワイン名:ザルデット プロセッコ ブリュット
生産国&地域:イタリア / ヴェネト地方 プロセッコDOC(トレヴィソ)
作り手:ザルデット
品種:グレーラ85%以上、ピノブラン&シャルドネ15%
ヴィンテージ(収穫年):NV(ノンヴィンテージ)
値段:$13 (2020年)
購入場所:ホールフーズ@Brea
日本での購入可否:可能


WSET Level 2とLevel 3を取得するのにお世話になった、Napa Valley Wine Academyという学校。私がLevel 2にサインアップした2020年4月の時点では学校で授業を受けるコース、オンラインコースの2種類があり、私はどちらもオンラインコースを選びました。(新型コロナの関係で、現在はとりあえずオンラインだけの模様。)Level 3はテイスティングの試験があるのでテイスティングの宿題が毎週ありました。WSETが推奨するエリアやぶどう品種の中からいくつかのワインを選んでそのテイスティングノートを提出します。でもそのリストが「タンク方式でつくられたスパークリングを1種類」とか大ざっぱで、スーパーに溢れかえるほどあるワインの中から自分で適当なワインを選ばないといけない。できれば教科書に載っているようなそのぶどう品種に一般的な香りや味がするワインをテイスティングしたいと思ったら、それなりの知識がないと選べません!どのワインを選ぶか毎回ひと苦労。

前置きが長くなりましたが、そんなスパークリングワインのテイスティングの宿題用に買ったのがこのプロセッコ。日本に帰省した時に Deutz Brut Classicというフランスの老舗メゾン「ドゥーツ」のシャンパーニュを手に入れ、そちらを宿題に使ったのでこのプロセッコは結局飲まないまま、最近まで冷蔵庫の肥やしとなっておりました。でもついにテイスティングされる時がやってきたよー。結論としてなかなか真面目で正統なプロセッコで、WSET Level 3 の試験を受けようとしている方がいらしたらおすすめのワインです。

プロセッコDOC ヴェネト 05-09-2021.jpg

ステンレスタンクに入ったワインに酵母や砂糖などを入れて発酵させ、泡が発生したのがプロセッコ。ワインボトルの中で二次発酵が行われるシャンパーニュやカヴァに対して、プロセッコはタンクの中で発酵したものがボトル詰めされます。タンクメソッド、もしくはCharmat法とも呼ばれる方法です。この方法はあまり人の手を介さずにクイックにできるので、ベースとなったワインの(ぶどうの)香りが残るフレッシュなスタイルの発泡ワインが出来上がります。この手のスパークリングワインは製造コストも安いせいか、シャンパーニュに比べて安いのがいいね!プロセッコはイタリアの保護原産地呼称の法律であるDOCに括られており、イタリアの北東のヴェネト州(ヴェネチアがあるところ)の周辺でほとんどがこのタンクメソッドで作られたものです。イタリアで飲むスパークリングを全部プロセッコだと思ったらそれは間違い!

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このザルデットもヴェネト州にあり、プロセッコに特化して年間250万本を世界中に送り出す、かなり大きな会社のようです。ラベルからして若い作り手だと勝手に思っていましたが、調べるとなんと1900年創業、ザルデットという会社名になったのは1936年のこと。現在はぶどうは契約農家から買い付けたものを使い、複数のぶどう畑からのぶどうを使ってより豊かな味わいのあるプロセッコを作っているそうです。

さて、Brut(ブリュット)はEUの法律で定められたスパークリングワインの残糖量に準じた表示の一つ。

Brut Nature: 0 - 3g /L(これは砂糖の添加をしていないスパークリングワインで、最も辛口)
Extra Brut: 0 - 6g /L
Brut: 0 - 12g /L 
Extra Sec: 12 - 17g /L

ザルデットのこのプロセッコはブリュットですが、残糖量が12g/Lとのことでオフドライとしました。ブリュットも一般的には辛口にあたりますが、ザルデットのは上限ギリギリの12g。うーん、これは辛口じゃないよ。程よい辛口とも言わないし、それ以上に甘い印象です。でもシャンパーニュやカヴァに比べるとプロセッコは少し甘めなのが特徴。多くの場合それはドサージュ (Dosage: 出来上がったスパークリングに栓をする前に味を調整するためにワインと砂糖を混ぜたものを添加する作業)によるものではないのもプロセッコのポイントです。プロセッコの一次発酵、つまりベースとなるワインの醸造を少し早めに切り上げ、ワイン中の糖分が全てアルコールへと転換される前に二次発酵、泡を発生させる工程に移しているためです。だからプロセッコはアルコール度数が低めなのが多いです。これはアルコール度11%です。

このプロセッコはシトラス、ハチミツっぽい香り、ごくわずかにクリームチーズのような風味があってとても多面的。たった13ドルだし、フラットな味だろうと全然期待していたなかったのですがなかなかGood。

ザルデット プロセッコ ラベル 05-09-2021.jpg

調べるとザルデットは日本でも結構有名みたいで、母からも近くのスーパーでザルデットのプロセッコがセールになっていたという話を聞きました。漫画の『神の雫』にも登場したことがあるらしい。日本のコストコで別のワインを買った時も店員さんが『神の雫』に出たワインです、みたいなことを言っていました。私は読んだことがないのですが漫画の影響力はすごいなー。アメリカ国内にはザルデットの専属代理店があるらしく、ホームページのデザインもラベルのデザインも派手でアメリカ的。アメリカと、その他の海外向けはマーケティングからボトルのデザインまで全く違うようです。しかもアメリカで流通するザルデットのボトルは二重ラベルになっていて、一番上を剥がすと下のラベルが出てくるというどうでもよすぎる仕掛けがあります。そのラベルの裏には Ciao raga, come va? (Hey guys, how’re you doing?) ですって。こういう言葉が書いてあるのって、最近ヨーグルトの蓋の裏とか缶のタブとか、アメリカでよくあるデザインなんですよね・・・なんか好きになれないー。

Maya

アメリカのロサンゼルス郊外在住。日本の大学卒業後から15年以上、仕事も趣味も旅行な毎日で60か国以上をふらふら。時に母を連れ、そして途中には旅行の友(主人)を見つけ、強引に(?)あちこち。東京にある秘境系旅行会社でワイナリーツアーのアレンジや自分でも世界各地のワイナリーを訪ねるうち、ワインのことも知りたくなり、旅行の仕事の片手間にワインの勉強も。WSET Level 2資格保持者。日本のソムリエ資格同等レベルのWSET Level 3結果待ち。

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