Cakebread Cellars Cabernet Sauvignon 2017 Napa Valley|ケークブレッドセラーズ カベルネソーヴィニヨン ナパバレー

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Cakebread Cellars Cabernet Sauvignon 2017 Napa Valley

<WSET Level3 方式テイスティングノート>

カラー:中程度 - ルビー
香り&味覚:やや強い - ローズ・ブラックベリー・プルーン・黒コショウ・乾燥ハーブ・トースト・焦がした木・ダークチョコレート・タバコ・肉類・キノコ
発達段階:発達中
甘味:辛口
酸味:やや高い (pH3.55)
タンニン:やや高い
アルコール:高い (14.6%)
後味:長い
品質:非常に良い (Balance, Intensity, Complexity)
飲み頃:今飲んでもよいが、 熟成の可能性がある

ワイン名:ケークブレッドセラーズ<カベルネソーヴィニヨン> 2017
生産国&地域:アメリカ/カリフォルニア州、ナパバレーAVA
生産者:ケークブレッドセラーズ
品種:カベルネソーヴィニヨン83%、メルロー9%、ペティヴェルド4%、カベルネフラン4%(100% ナパバレーAVA産のぶどう)
ヴィンテージ(収穫年):2017年
値段:$110 (2021年)
購入場所:ゲルソンズ@センチュリーシティ
日本での購入可否:楽天などで可能


先日友人宅に行く際に手土産で選んだのがこのワイン。「知らないの?ケーキブレッドセラーズってすごく有名だよ」という旦那のコメントだけで買ったワイン。旦那はほとんど飲まないのに、なぜかワインのブランドにはやたら詳しい。WSET Level3 の資格を持った人間のワインの買い方としてはあんまりよくないね・・・。

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ケークブレッドセラーズは1972年創業の家族経営のワイナリーです。ナパバレーのワインが世界のワインマップに出現しはじめる少し前にケークブレッドファミリーがナパバレーの真ん中に位置するルーサーフォード (Rutherford) にある畑を購入し、ソーヴィニヨンブランの木を植えたことから始まったワイナリー。創業以来、ナパバレーだけでなくソノマ北部のメンドシーノのアンダーソンバレーのぶどう畑など、ナパバレーを中心にのぶどう畑を自社畑として所有するどんどん拡大を続けているワイナリー。家族経営といってもかなり規模の大きな生産者です。

そんなケークブレッドセラーズの2017年ヴィンテージのこのワインはカベルネソーヴィニヨンを8割、その他メルロー、ペティベルド、カベルネフランが少しずつ、ブレンドの品種としてはボルドーの西岸のオートメドックAOCでつくられている赤ワインのスタイルに近い感じです。

このワインで使われているカベルネソーヴィニヨンは、ぶどうの味が力強いルーサーフォードとオークヴィル (Oakville)地域、温暖なカリスト―ガ (Calistoga)、そしてサンパブロ湾からの海風で冷涼なサスコル (Suscol) エリアで収穫されたぶどうをブレンドしています。ブレンドはケークブレッドセラーズがナパバレーの低地や斜面、暖かいエリア、涼しいエリアなど、いろいろな場所にぶどう畑を所有しているまさに強み。

一般的にルーサーフォードとオークヴィルはナパバレーの中でも特に高品質なカベルネソーヴィニヨンで醸造されるプレミアムワインの生産地です。この辺のカベルネソーヴィニヨンはブラックカラントのような味がするワインが多い中、このケーキブレッドセラーズのワインはブレンドのせいかブラックカラントよりも濃いプルーンのようなもっと深い、濃い色のフルーツのリッチな味がします。

新しいフレンチオークの樽(新しい樽は56%)で17か月熟成されたワインはその後ワイナリー内でワインをブレンドし瓶詰されています。ワイン自体の味も濃く、タンニンも酸味も強いので、さらに熟成するポテンシャルがあるワインです。

このワインに使われたぶどうは夜に収穫されたとのこと。涼しい夜に収穫すればぶどうのフレッシュ感や酸味を保つことができます。樽で1年以上寝かしてあり、2017年ヴィンテージなので瓶の中での熟成も進んでいるとは言え、まだ若い方です。それなのにあまり強いフルーツの香りや味はせず、樽熟成と瓶熟成の由来の香り(トースト・焦がした木・ダークチョコレート・タバコ・肉類・キノコ)の方が強いのが意外。

このワインは私が普段飲むワインよりもずっと高いワインです。でも、こうしてケークブレッドセラーのファクトシートなどを読むとなんで高いのかがよくわかります。新しい樽を使ったり、ワインを混ぜてより味に深みや多面性を持たせて、さらにぶどうの収穫の時間も夜だったら、昼間よりもコストがかかるはず。ワインメイキングにとてもお金がかかっていると感じます。それだけワインも飲みやすいというよりは、手が込んでいて1グラスをちびちび飲みたくなるワインでした。

WSET(少なくともLevel2とLevel3)の試験では基本的なぶどうがどんな味がし、世界でどんな方法でワインが作られているかということに重きが置かれているので、シャトーやワイナリーの名前などを問われることはありません。WSETのテイスティング用のワインを買う時には、ブランドではなくいかに一般的なその生産地の味がするかに注目する必要があると思います。あとお財布の関係もある・・・。

でも世界的に有名なシャトーや、ナパの高級ブランドは有名や高級である所以があるなと実感したのが、このケークブレッドセラーズのカベルネソーヴィニヨン。この先どんどん高いワインを飲んで(?)もっと知識をつけないといけないと思いました。


Maya

アメリカのロサンゼルス郊外在住。日本の大学卒業後から15年以上、仕事も趣味も旅行な毎日で60か国以上をふらふら。時に母を連れ、そして途中には旅行の友(主人)を見つけ、強引に(?)あちこち。東京にある秘境系旅行会社でワイナリーツアーのアレンジや自分でも世界各地のワイナリーを訪ねるうち、ワインのことも知りたくなり、旅行の仕事の片手間にワインの勉強も。WSET Level 2資格保持者。日本のソムリエ資格同等レベルのWSET Level 3結果待ち。

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